「ハ、ハジメマシテ……ボク、《ダイケル・ビーマンゴー》トイイマース。ヨロシクオネガイシマース……!」 今日、我が家に新たな留OOがやってきた。 子供ができない代わりに、ホームステイとして留OOを受け入れるようになって早数年。 今回は少数民族の《ディコン族》の青年とのことだった。 「美月さーん、他に手伝うコトありますかー?」 見た目はゴツいものの、勉強熱心で気配りもできる気の優しい青年。 言葉を覚え、コミュニケーションも問題なく取れるようになってきた。 しかし、そんな矢先……ちょっとした事件が起こる。 こちらが何度ノックしようとも、相手からの応答はない。 「……おうぅっ、おうっ! おうっ! おうっ!」 その代わりに、部屋の中からは獣のような咆哮が轟いていた。 (大丈夫かしら……もしや、発作を起こしているとか……?) 悪いとは思いつつも、返事のないまま部屋の中へと進入を試みると――。
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